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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

女の戦い

今日はバレンタインデー。

そもそもバレンタインデーなんてものはだなぁ、

と、始まるのがいつものパターンだが、今回はやめておこう。
なぜなら私はチョコレートが大好きだからー。
だから、タダでチョコがもらえるバレンタインは大歓迎。
でも、甘すぎるものは苦手なので、ビターチョコでお願いしたい。
ここ数年、カカオの効果を全面に押し出したチョコもあるが、
カカオ86%とかはさすがに苦いだけなので、60%でお願いします。
あと、1粒で何百円もするような高価なチョコも売れてるが、
バカじゃなかろかと思う派なので、普通のピーナッツチョコでOKです。
↓こんなやつ。 ホントは昔っからあるハートチョコが好きだけど、絶版?

heartchoco


え? バレンタインは女の子がタダでチョコをあげる日じゃない?
女の子がチョコ以上のお返しを期待するための布石の日だって?
少女マンガ「はちみつとクローバー」にも、そう書いてある?
あー、たしかにそーかもねー。

えーと、聞こえませんでした。

大型スーパーなどでも、正月が終わった途端にバレンタインブースが
できるなど、昨今のバレンタイン商戦も激しさを増している。
今年はなにやらお菓子メーカーが「逆チョコ」などと銘打って、
男子からもチョコをあげましょうなどと宣伝しているが、はっきり言おう。

断る! 

自分がチョコが食べたいんだから、誰があげますか。
いや、まぁ、あげたい人は勝手にやっててください。 別に文句つけません。
要するに、メーカーはチョコが売れれば何でもいいんだろうから、
バレンタインを口実に、告白でも何でもやっててちょうだい。
てゆーか、そーなるとホワイトデーの存在意義はどうなるんだ!?
今度は、女子からもあげましょうと宣伝するのだろうか。
なんだかこれも、クリスマスの時に書いた
「酒を飲めれば理由はなんでもいい」理論になってきたなぁ。
もー、世の中、ボーダーレス、ジェンダーレスとかになってきたけど、
なんでもかんでもレスになってきましたなぁ。

さて、バレンタインの思い出について語ると予告したが、
そこはそれ、年相応にいろいろあることはある。
だが、2月14日でいちばん記憶に残っているのは、
小学校6年の時の、今思うとちょっと奇妙なできごとのことだ。

今回はその時のことを、小学生の国語の問題文風に書いてみようか。

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今日はバレンタインデーだ。
学校へお菓子を持ってくるのは禁止だけど、今日は先生も何も言わない。 
先生も女子からもらえるからかな。
朝学校に来て、男子も女子も、ちょっとだけそわそわしていたけど、
誰もバレンタインの話題を出さなかった。

一時間目が始まった時、先生から、
「男子だけ全員外に出なさい。」
と言われた。
男子はみんな授業中に校庭で遊べるのが嬉しくて、
①【むじゃき】に鬼ごっこなどをして遊んでいた。 
ぼくは、男子に外へ行きなさいと言った先生や、
不安そうな女子の雰囲気を見て、ちょっと不思議に感じていた。
「男子がいない間に、教室で何をしているんだろう。」
他のクラスの男子はいないから、外に出されたのは3組だけのようだ。

15分ぐらいして先生に呼ばれ、ぼくらは教室に戻った。
女子は全員静かに席に着いている。
先生はなにごともなかったように
「はい、国語の教科書を出してー。」
と言った。

教科書を出そうと机の中を見ると、チョコレートを見つけた。
バレンタインのチョコレートだ。 全部で3個あった。
名前が書いてないので誰かは分からないけど
【 ② 】、鈴木と、佐藤と、田中からだろう。
3人はいつも一緒に遊ぶグループの中の女子たちだ。
だから義理チョコだろうけど、ひとつもないよりは嬉しかった。
加藤も、高阪も、斎藤も、同じように3個入ってたのかな。
ぼくは、ちょっと【 ③ 】していた。
国語の時間が終わったら聞いてみよう。


次の問いに答えましょう。

問1.①【むじゃき】を漢字に直しましょう。

問2.【 ② 】に入る最も適切な言葉はどれか、次から選びましょう。
    ア.だから  イ.とても  ウ.たぶん  エ.しかし
問3.ぼくがいつも遊ぶグループは男女合わせて何人でしょうか。

問4.【 ③ 】に入る最も適切な擬態語はどれか、次から選びましょう。
   ア.ハラハラ  イ.ドキドキ  ウ.イライラ  エ.シクシク
問5.【③】を含む一文で、ぼくはどうしてそのように感じたのでしょうか。
   30字以内で書きましょう。

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とまぁ、こんな風だった。
その時は先生のとった方法について特に深く考えることなどなかった。
ただ、自分たちが外にいる間に、女子が教室をウロウロして、
男子の机の中にチョコレートを入れていく光景を想像しただけだった。

私たちの頃は先生の権力は絶対で、学級崩壊などという言葉もなかった。
だから女子が机にチョコレートを入れる姿も、何かの儀式のように
無言でしめやかに行なわれている風景を想像した。
実際にはキャーキャー騒ぎながらだったかも知れないが、
隣のクラスは授業してるわけだし、やっぱり静かだったに違いない。
男子も「チョコが入ってた~」などと大声で騒ぎだしたりする者などひとりもおらず、
何か触れてはいけないものかのように、静かに国語の授業へと移行していった。
前日までは、バレンタインとはどういうものなのかとか、誰がくれるだろうとか、
お返しのクッキー、アメ、マシュマロの意味とか、さんざん話していたのに、
当日にはほとんど話題にあげなかったから、余計に変な空気があったのだろう。

ちなみに休み時間中に確認したが、チョコの差出人は予想通りだった。
もっとも高阪だけは女子に人気があったので、3個どころではなかったが。

先生がどうしてこんな計らいをしたのか、大きくなってから考えると、
たぶん先生なりの苦肉の策というか、教育的配慮だったのだろう。
小6といえば、異性を意識しだす難しい年頃である。
チョコをあげただのもらっただので、クラスが騒然としたり、
「からかい」から「いじめ」に発展することのないように考えたのだろう。
あるいは、1個ももらえない男子や、
誰にもあげない女子のことを気遣ってのことだろう。
実際、ひとつももらえなかった男子も何人かいて、
私たちも子どもながらに気を遣い、全体の場では話題にしなかった。

先生のこの対応が正しいのかどうか、それは私も分からないし、
なんか変だぞと違和感を覚える人もいるだろう。
でも、この時の担任の先生は非常に熱心で情熱的で、
クラス全員からの信頼が厚い素晴らしい先生だったし、
事実、私のクラスは他のクラスから羨ましがられるほど活発で仲がよかった。
きっと先生はクラスのことを考えて、バレンタインというものを
ああいう方法で、静かにスムーズに成就させたかったのだろう。
だから私は、あれでよかったのだと思っている。

数日経って、いつものメンバーで遊んだ時は、
どれが誰のチョコレートかとか、お返しにマシュマロはやめて欲しいとか
チョコをくれた女子ともざっくばらんに話すことはできたけど、
みんなのいるところでは、バレンタインについては触れなかった。
話題にするのが何だかタブーのような感じがしたのだ。
もしかするとそれは、自分が好きな女の子が誰にチョコをあげるのか
気になって仕方がない男子たちや、誰にも言わないけど
好きな男子の机にこっそりチョコレートを入れる女子たちの、
子どもなりの真剣さが作り出した空気だったのかも知れない。

今の時代の子どもたちがどういう風なのかは分からないが、
私が子どもの時の、ちょっぴり奇妙でピュアなできごとである。
バレンタインの季節になると、今でもふとこの時のことを思い出す。



答え 1.無邪気  2.ウ  3.7人  4.イ
    5.みんなも自分と同じように3個もらっているか気になったから。


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