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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

オレはそんなに甘くない。

前回で終わらせるつもりだった、
サンデーVSマガジンコラボ缶。
せっかくなので、「あしたのジョー」についても書いておきたい。

S&M-4

「あしたのジョー」は、言わずと知れたボクシング漫画である。
テレビシリーズの最高視聴率は30%超え。
2度映画化もされた、それはそれは不朽の名作だ。

主人公である「矢吹ジョー」と、それを取り巻く個性的なライバルたち。
特に当初からライバルだった「力石徹」の存在は、主人公を凌ぐものだった。
懐かしのアニメなどとしてバラエティ番組でも何度も取り上げられるが、
矢吹ジョーと力石徹の戦いは、なんと力石の勝利で終わる。
主人公の敗北というのが、当時としては衝撃的だったが、
さらに試合直後、ふたりが握手を交わそうとすると力石が倒れてしまう。
そして、そのまま帰らぬ人に。
過酷な減量とジョーのパンチが、彼の命を奪ったのだった。

JOE-2

力石が死んだのは、もちろん物語の中でのことである。
しかし、多くのファンが悲しみ、実際に葬儀が行われたというのも有名な話である。
それだけ社会的ブームとなっていたあしたのジョー。
私も当然見ていた。

私の幼心に印象に残っているのは、「カーロス・リベラ」である。
力石が死んだ後のジョーは、カーロスとの戦いで復活した。
ふたりの試合はダブルノックアウトという形で引き分けとなり、
シリーズはここでいったん終わる。

そして、「あしたのジョー2」でジョーはカーロスと再会するが、
彼の変わり果てた姿に驚愕する。
ボクサーのパンチというのは殺人的な威力がある。
それをまともに受けると脳に障害が起こり、記憶や運動機能に支障をきたす
いわゆるパンチ・ドランカーという症状を起こす。
再会した時のカーロスはそれによって廃人となっており、
フラフラしながら力ないパンチを出して、惚けた口調でこう言う。
「Oh、ジョー・ヤブーキ、ボクシング楽シイネー。」
彼の痛々しい姿は、今でもよく覚えている。

カーロスを廃人に追い込んだのは、世界チャンピオン「ホセ・メンドーサ」。
東洋チャンピオンになったジョーは、ホセと対決する。
激しい戦いの末、試合は判定へ。
判定を待っている間、ジョーはコーナーの椅子に座ってつぶやく。
「燃えたよ…。真っ白に燃え尽きた…。真っ白によ…。」
だが、判定の結果はなんとホセの防衛勝利。またしても主人公の敗北である。
審判がホセの手をあげるが、彼は髪が白くなり、老人の様になっている。
ホセもまた、壮絶な戦いで燃え尽きていたのだ。
勝てなかったジョーだが、セコンドの「丹下団平」は温かい声をかける。
しかし…。
真っ白に燃え尽きたジョーが椅子に穏やかに眠ったまま動かない。
「真っ白に燃え尽きた」
この意味深な言葉を残して、物語は終わる。

JOE-3

終了から30年近くたった今でも、同年代で飲んだりして
あしたのジョーの話題になると、必ず議論になるのが、この最終回についてである。
ジョーは力石のように死んだのか?
それとも単に燃え尽きただけなのか?
酒でも入ってる時だと、結構白熱した討論になることがある。
で、最終的には、それぞれの解釈でいいじゃないかというところに落ち着く。

果たして真相はどうなのか。
実は近年、漫画家のちばてつやによるコメントなどで、
かなり明確になっているのだが、あまりにも昔のことであることと
ファンのアイデンティティの一部になっている可能性もあるため、
誰もが多くを語らない風潮にあるのだ。
よって、私も名言は避けることとして、
つまり、それだけ歴史に残る名作だということなのだ。

私の友人に、あしたのジョー大好きなヤツがいた。
酔っぱらうと、いつも「あしたに向かって打てー」とか叫んで
手がつけられないヤツだった。
そいつにせがまれて、ジョーのイラストを描いたこともあった。
結婚式にも出席したが、そいつも今は岐阜県の先生。
きっと、子どもにも「あしたに向かって打て!」とか言ってるに違いない。



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