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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

ミックスジュースの缶

今回はこんなものを。

あまりにもシンプルでふざけた商品名を見て買ったのだが、
調べてみると実はいわくある商品だったという代物。

みっくちゅ

大阪生まれのフリフリみっくちゅじゅーちゅ
20%混合果汁入り飲料 190g
果実(オレンジ、りんご、パインアップル、桃、バナナ)、乳製品、
砂糖、はちみつ、澱粉、大豆多糖類、卵、香料、酸味料、カロチン色素
日本サンガリアベバレッジカンパニー (2001)


ことの発端は2001年まで遡る。いや、買ったのは最近なんだけどね。
こいつは、近畿・瀬戸内地方でのみ放送されているらしい
朝日放送(ABC)のバラエティー深夜番組「ごきげん!ブランニュ」で、
『関西の喫茶店の定番メニューのひとつである「ミックスジュース」を全国に広めよう』と、
番組の出演者・スタッフが企画し、大阪府大阪市に本社のある
日本サンガリアベバレッジカンパニーに話を持ちかけ、商品化が実現したもの。

番組から商品が生まれることはままあるが、ペットボトルではなく
缶ジュースとして商品化されるのは珍しいんじゃなかろうか。
缶の裏面には、ミックスジュースに関する説明、飲み方などが書かれている。
全国展開を目指して、ミックスジュースを知らない地域の人が理解できるようにと
説明が加えられているようだが、

えーと…、ミックスジュースを知らない人って…いるの? 

商品名の「みっくちゅじゅーちゅ」の名付け親は、
番組の司会を務めるトミーズ雅で、ラベルのロゴは、赤井英和の自筆によるもの。
なるほど確かに手書きくさいが、何で書いたのだろうか。
マッキーの筆致に見えるが、気のせいか?

白地に黒文字だけのデザインが、自販機の中でも妙に目立っていたが、
近づいて確認するまで「甘酒」だと思っていた。

さて、なぜ商品名が「みっくちゅじゅーちゅ」などというふざけたものになったのか。
別に関西人特有の悪ふざけというわけではなく、それなりに理由があるらしい。

当初、そのまま「ミックスジュース」にしようとしたが、それが認められなかった。
農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)により
果汁100%のもの以外は、『ジュース』という名称で販売できない」ということで、
「ジュース」という名称が使用できず、やむを得ずミックスジュースをもじった
「みっくちゅじゅーちゅ」にしたという顛末である。
JAS法について詳しくは、まめちしきで。

発売当初は、缶に商品を企画した「ごきげん!ブランニュ」のロゴや
「題字・赤井英和」が入っていたらしいが、現在は写真のとおり削除されている。
他に「みっくちゅじゅーちゅ いちご」もある。

さて、この商品のコンセプトは「大阪生まれのミックスジュースを全国に広める」
ことらしいが、ここでひとつ、力を込めて言わせてもらおう。

ミックスジュースは
全国どこにでもあるメニューです! 

企画した番組も「ミックスジュースは大阪生まれ」と謳っているが特に根拠はない
実際、私は全国を旅した経験があるが、ミックスジュースは時々見かけた。
単に大阪の喫茶店では必ずあるので「文化として根付いている」ということなのだろう。
作り方としては、バナナやパイナップルといった南方系果実と、
オレンジやみかんなどの柑橘系果実に牛乳、卵、氷を加えてミキサーで
攪拌させたものが「大阪名物ミックスジュース」らしいが、
これもまた言わせてもらうと、全国どこでも似たようなもんだと思う。

しかし意外なことに関東の人間にはこれが珍しいらしい。
そして「関東には、これに似た飲料に「ミルクセーキ」がある」というが、
「セーキ」は「シェイク」の訛ったもので、もともと日本のものではない。
まったく、日本には関東と関西しかないわけじゃないんだぞ?

まぁ、由来話はこの辺にしておいて、問題は味である。
さて、どんなミックスジュースかと飲んでみると…。

意外とウマい! Σ(゜A゜) 

ふざけた外観から期待していなかった分だけ、余計に驚いた。
薄黄色の液体とドロッとした口当たりがまさにミックスジュースだ。
さらに舌にざらりとしたオレンジの果実繊維が残る。
これは「いかにも喫茶店のジューサーで挽いた」ことを表現しているらしい。
「喫茶店のミックスジュースはもっと濃厚だ」という意見もあるようだが、
あんまりドロリとしすぎていても飲みにくすぎるので、これぐらいでいいと思う。
だって、喫茶店の透明なグラスに入って出てくるならいいけど、
中身の見えない缶から、あまりにもドロッとした液体をすするのは、
心理的にも若干不安だし、飲んでる姿も見栄えよくないだろうしな。

見た目のわりにおいしかったので、それで良しとしようではないか。

え?2001年に日本食糧新聞社が主催する「優秀ヒット賞」を受賞してんの?
知らんかった~。 てか、日本食糧新聞てナニ?? 


まめちしき

普通「ジュース」といえばオレンジジュースグレープフルーツジューストマトジュースなどをいうが、さらにコーラや午後の紅茶など「甘い飲み物全般」を指して「ジュース」と言うことにも違和感はないだろう。このブログでも、基本的にそのようなスタンスで、あえて「ジュース」と書いている。しかし厳密には「ジュース」にはいろいろときっちりした約束がある。それが上でも書いた「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)にあり、「果汁100%のもの以外は、『ジュース』という名称で販売できない」という規定である。では、果汁100%未満のものは何と言うかというと、いろいろである。果汁が入っていることを強調したいものは裏面の名称のところに「○○%果汁入り飲料」と書いてあったりするが、前に紹介したポカリスウェットなどは、果汁が含まれていても表記は「清涼飲料水」である。他には「炭酸飲料」「乳性飲料」「コーヒー」「紅茶飲料」などと書かれていて、やはり「ジュース」と書いてあるのは果汁100%のもののみである。ちなみに「濃縮還元」でも構わない。トマトジュースの場合、食塩は添加されていても「ジュース」として認められる。逆に言えば、果汁100%なら、飲み物でなくても「ジュース」である。例えばお菓子や料理に使われるレモン汁(ポッカレモン100とか)も、裏を見ると「レモンジュース」と書いてある。



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