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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

アルコール強行突破作戦 2

さて、今回が本題である。

「氷結」

氷結2


初めてこいつを見た時はびっくりした。
 「缶がギザギザしとる!?」 
いわゆるダイヤモンドカットというデザインである。
初め、缶にそういう柄が描かれているのかと思ったが、
触ってみると確かにデコボコしている。
これは、すごい! 
缶の歴史において、上面部・底面部以外で形を加工した商品は、
これが初めてじゃないだろうか。
デコボコの陰影が、アルミ本来の光沢を美しく輝やかせている。
商品名に合わせて、氷をイメージさせるコンセプトだろう。

さらにすごいのは、プルタブを開けたときである。
「プシュッ」
「ポコッ」
「おおっ!!」 
表面のデコボコが、さらに激しくなった!
どうやら中に充填されていた窒素ガスが抜けて内圧が下がり、
ダイヤモンドカットにデザインされた表面が、本来の形になったのだろう。
うーむ、これはすごいぞ。
アイディアもいいが、これを実現した技術もすごい。
やるな、キリン。

と、絶賛したところで、気になる点がふたつ。

まずコスト。
表面をデコボコにするということは、必然的に表面積は増えるはずだ
ということは、使用するアルミの量が増えてコストが高くつくだろう。
1個や2個ならたいした差でなくとも、10万個、100万個となれば、
かなりの差になるに違いない。
恐らく、企画の段階でも、社内で討論されたでことだろう。
それでもデザインを優先させたということか。
その心意気に乾杯だ
発売当時の2001年ならまだしも、昨今の金属物価高騰は辛いだろうなぁ。

で、もうひとつは、これをデザインしたのは誰か。
これは会社の開発部門がデザインした程度のレベルではない。
それなりのデザイナーが考案したものに違いない。

というわけで調べてみた。

デザイナーはフミ・ササダという男性で、なかなかの経歴の持ち主である。
他には、キリンの「午後の紅茶」もデザインしているが、
氷結はやはり評価が高かったようで、
2002年 第1回PDAゴールデンマーメイド賞にてシルバーマーメイド賞
2006年 (社)日本パッケージデザイン協会パッケージデザイン大賞にて特別賞
などを受賞している。
うーん、知らんかった。

この氷結以降、キリンが開発したであろう加工技術は、
こいつも生かされている。

微糖

FIRE 挽きたて微糖
コーヒー 190mg
牛乳、コーヒー、砂糖、全粉乳、脱脂粉乳、香料、乳化剤、
カゼインNa、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)
キリンビバレッジ(2006)


FIRE自体は1999年に第1弾が発売されているが、
シリーズ化されて、様々なパッケージデザインが登場している。
氷結のダイヤモンドカットをデザインに取り入れたのは
2005年の「FIREスカイマックス」であるが、1年で消滅。
デザインは、2006年に発売された、この「挽きたて微糖」に継承された。
スカイマックスが青色基調のデザインで、もろ氷結っぽかったのに対し、
この微糖はコパー(銅)色で、また違った印象である。
さすがにアルミじゃないので、開けても「ポコッ」といくこともない。

にしても、この微糖、
むき出しの金属にラベルを貼ったように見せるデザインなんだが、
ダイヤモンドカットのデコボコがあるのに、
ラベルを貼ったデザインて、おかしくないか??

恐らく、このデザインには「フミ・ササダ」氏は関わってないんだろうな。
せっかくの加工技術を使いたいのは分かるが、使い道は考えよーぜ。
個人的には悪くないパッケージングだと思うが、
デザインとチクハグになっている、いい例でありますな。
ちゃんちゃん。

ちなみに、このダイヤモンドカット技術、
最近は他社も真似して出してきているが、ちょっと微妙なのである。
アサヒの「WONDA ザ・ブラック」とか。中途半端なんだよねー。
やはり二番煎じはいかんのね。
めざせ、オリジナリティ! 




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