
出願は内申書が出たらおしまい、
というわけにはいかない。
内申書というのは生徒の手を介さず(というか知らない内に)
直接中学校から出願高校へ送られるが、
願書自体は中学生が自分の手で志望校へ持って行かなければならない。
この時期のそこかしこで普段見かけない中学生の集団が
右往左往しているのはそのためだ。
これも地域事情によって異なるのだが、
地元高校を受ける場合は受験する中学生全員が
各々自分の願書を持って高校へ提出しに行くケースが多い。
中学校ごとにまとまって行くので
全員で行く必要があるのかという疑問が湧くが、
生徒が人の願書まで持っていって
万が一トイレに忘れてきただの、ヤギさんに食べられただの、
紛失事故があってはいけないという理由だろう。
そのため人気校になると複数の中学校から
大量の中学生が押し寄せることになり、
寒い受付窓口の周辺で待たされることになる。
窓口が広い屋内にあればよいが外で待つことになる場合もある。
ストーブを出してくれるありがたい高校もあるが、
教育予算削減の中でそんな備品すらない高校も多い。
しかも、願書を出す時には律儀にコートを
脱ぐように教育されている中学生もいるので、
ぜひとも出願の日には温かい下着とカイロを準備願いたい。
やや遠方の高校、受験者数が少ない中学などは、
先生や保護者が代わりに持っていくこともある。
また、交通機関が発達していないなどの事情がある県では
各中学校で集計し、校長が一括して教育委員会を通じて出願する。
大学受験のように個人による郵送を受付けない理由には
出願期間が2~3日間と短いことや学区制によるものだと言える。
(学区制については次回)
反対に、私立高校の場合は学区も何も関係なく、
全国各地から受験生を募るため郵送のみという場合が多い。
北海道の中学生がラサール高校を受けるからって、
飛行機で願書を出しに行ったりはしない。
地元の私立高校なら中学校で先生に願書を出したら、
まとめて郵送してくれるだろうし、
学習塾が郵送を代行してくれるケースもある。
窓口受付けで願書を出すと、受付けた事務の人か先生が
受験票にガツーンと受験番号を押印し、その場で受験票がもらえる。
氏名の50音(中学の出席番号)は受験番号には関係なく、
受験番号は願書を受付けた順なので、
同じ中学の生徒が同時に受付けすれば、受験番号も並ぶことになる。
受験生としては友達と同じ教室で受けられるのでリラックスできるが、
もちろん2教室に分かれてしまうこともある。こればっかりは運。
複数の学科を持つ高校の場合は、例えば普通科は1001から、
商業科は2001から、などのようにつけられる。
受験番号は便宜的なものでしかないが、中には縁起をかついで
1番狙いで開門前から待つ強者がいることもある。
ただ、受験番号1番は必ず一番前の席で教室端の入口か窓際になり、
間違いなく寒い席なのであまりオススメできない。
また、面接試験でも最初になってしまい、最初の内は
面接官も気合いが入っているため質問がシビアだったり、
どんな内容を喋ってもその後の基準とされてしまうため、
よほどの好印象がない限り可もなく不可もない判定となる。
ただ、真面目に面接されるため、最後の人と同じぐらい
面接官の記憶には残りやすいとも言える。
たかが受験番号だが、音楽科を受ける中学生には
勝敗を決める大きな要因になることもある。
実技試験も基本的に受験番号順に行なわれるので、
1番の生徒は朝の9時前後に始まることになる。
ということは、2~3月ではまだ寒い時間帯であり、
楽器の調律や指の動きに影響してくる。
なるべく遅い時間に試験を受けられるようにするべく、
願書の提出を2日目の、しかも校門で他の受験生の出願状況を
見ながら待つ親もいたりする。
音楽科の受験をよく知る音楽教室に通う生徒はそうした対策を講じるが、
単に音楽が好きで吹奏楽部で頑張ってます程度の何も知らない受験生は、
早い受験番号になり、たいてい悲しい結果になることが多い。
まぁ、音楽教室でみっちり受験対策の練習をしてきた子と比べたら、
それだけでもともと不利なのだが。
情報が勝敗を左右する商売やマネーゲームに通ずるというか、
受験とはやはり戦いなのかと感じる部分である。
つづく
というわけにはいかない。
内申書というのは生徒の手を介さず(というか知らない内に)
直接中学校から出願高校へ送られるが、
願書自体は中学生が自分の手で志望校へ持って行かなければならない。
この時期のそこかしこで普段見かけない中学生の集団が
右往左往しているのはそのためだ。
これも地域事情によって異なるのだが、
地元高校を受ける場合は受験する中学生全員が
各々自分の願書を持って高校へ提出しに行くケースが多い。
中学校ごとにまとまって行くので
全員で行く必要があるのかという疑問が湧くが、
生徒が人の願書まで持っていって
万が一トイレに忘れてきただの、ヤギさんに食べられただの、
紛失事故があってはいけないという理由だろう。
そのため人気校になると複数の中学校から
大量の中学生が押し寄せることになり、
寒い受付窓口の周辺で待たされることになる。
窓口が広い屋内にあればよいが外で待つことになる場合もある。
ストーブを出してくれるありがたい高校もあるが、
教育予算削減の中でそんな備品すらない高校も多い。
しかも、願書を出す時には律儀にコートを
脱ぐように教育されている中学生もいるので、
ぜひとも出願の日には温かい下着とカイロを準備願いたい。
やや遠方の高校、受験者数が少ない中学などは、
先生や保護者が代わりに持っていくこともある。
また、交通機関が発達していないなどの事情がある県では
各中学校で集計し、校長が一括して教育委員会を通じて出願する。
大学受験のように個人による郵送を受付けない理由には
出願期間が2~3日間と短いことや学区制によるものだと言える。
(学区制については次回)
反対に、私立高校の場合は学区も何も関係なく、
全国各地から受験生を募るため郵送のみという場合が多い。
北海道の中学生がラサール高校を受けるからって、
飛行機で願書を出しに行ったりはしない。
地元の私立高校なら中学校で先生に願書を出したら、
まとめて郵送してくれるだろうし、
学習塾が郵送を代行してくれるケースもある。
窓口受付けで願書を出すと、受付けた事務の人か先生が
受験票にガツーンと受験番号を押印し、その場で受験票がもらえる。
氏名の50音(中学の出席番号)は受験番号には関係なく、
受験番号は願書を受付けた順なので、
同じ中学の生徒が同時に受付けすれば、受験番号も並ぶことになる。
受験生としては友達と同じ教室で受けられるのでリラックスできるが、
もちろん2教室に分かれてしまうこともある。こればっかりは運。
複数の学科を持つ高校の場合は、例えば普通科は1001から、
商業科は2001から、などのようにつけられる。
受験番号は便宜的なものでしかないが、中には縁起をかついで
1番狙いで開門前から待つ強者がいることもある。
ただ、受験番号1番は必ず一番前の席で教室端の入口か窓際になり、
間違いなく寒い席なのであまりオススメできない。
また、面接試験でも最初になってしまい、最初の内は
面接官も気合いが入っているため質問がシビアだったり、
どんな内容を喋ってもその後の基準とされてしまうため、
よほどの好印象がない限り可もなく不可もない判定となる。
ただ、真面目に面接されるため、最後の人と同じぐらい
面接官の記憶には残りやすいとも言える。
たかが受験番号だが、音楽科を受ける中学生には
勝敗を決める大きな要因になることもある。
実技試験も基本的に受験番号順に行なわれるので、
1番の生徒は朝の9時前後に始まることになる。
ということは、2~3月ではまだ寒い時間帯であり、
楽器の調律や指の動きに影響してくる。
なるべく遅い時間に試験を受けられるようにするべく、
願書の提出を2日目の、しかも校門で他の受験生の出願状況を
見ながら待つ親もいたりする。
音楽科の受験をよく知る音楽教室に通う生徒はそうした対策を講じるが、
単に音楽が好きで吹奏楽部で頑張ってます程度の何も知らない受験生は、
早い受験番号になり、たいてい悲しい結果になることが多い。
まぁ、音楽教室でみっちり受験対策の練習をしてきた子と比べたら、
それだけでもともと不利なのだが。
情報が勝敗を左右する商売やマネーゲームに通ずるというか、
受験とはやはり戦いなのかと感じる部分である。
つづく
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