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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

エリクサーちょうだい 4

さて久しぶりの独り言である。
長いので、興味ない人は飛ばして結構。

最近のFFなどを見て思うことだが、
ハードの性能向上とともに、
グラフィックが格段にキレイになっている。
その反面、昔のゲームに比べて
何だか感情移入ができなくなったように感じる。
なぜ感情移入できなくなったのか。
それについて、ゲームメーカーに勤めてらっしゃる方と
メールで熱く語りあったことがある。
そこで出たひとつの結論が、
「主人公キャラクターが喋るようになってしまったこと」
である。

FF13-6

本来、RPGの面白さの本質は、
「自分が主人公となって活躍する」ことである。
その主人公が声優さんの声で喋ってしまっては、
もはやそれは自分ではなく、俳優さんである。
それにより、主人公がすなわちプレイヤー自身であるという
RPGの大前提が崩れてしまったのだ。

一応、キャラクターの操作はするけど、
プレイヤーは観客にさせられてしまった。
最近のようにムービーが増えれば増えるほど、
最早ゲームではなく「操作ができる映画」になってしまった。
自分が操作=参加するという能動的なはずのゲームが、
観客=傍観という受動的な立場に
プレイヤーを追いやってしまったのだ。

FF13-7

映画やアニメだって俳優や声優が喋るが、
感情移入できるものだってある。
要するにストーリーや演出によるんじゃないかとも考えられるが、
やっぱり、ただ流れていくストーリーを享受するだけのものと、
少なからず自分の行為によってストーリーが展開していくのとでは
能動性という点において感情移入の度合いに雲泥の差があるはずだ。

その昔、パソコンゲームでRPGが主流になる前は、
アドベンチャーゲームというのが流行りだった。
主人公の行動をキーボードで文字入力して物語を進めていくというシステムだが、
所詮、あらかじめプログラミングされた言葉を探し、
決められたストーリーを進んでいくだけのゲームじゃないかという
批判的な声も少なからずあった。
RPGに時代が移ったのも、プレイヤーの進め方で
取れるアイテムが違ったり、仲間が違ったり、強さが違ったりして
いろいろな楽しみ方が出来るというのが理由のひとつだった。

だが、最近のRPGと言われるものは、
プレイ時間によってキャラクターのレベルに差がありこそすれ、
ほとんど変わらないストーリーを進めていくようになっている。
それでも、よく出来たシステムやストーリーならば面白くはあったが、
主人公が喋ってしまっては、もはやそれはゲームではなく、
ムービーを見るために操作するだけのシステムと言ってよいのではなかろうか。

そういえば、DVDの前身とも言えるLD(レーザーディスク)が出た時、
コマンド入力してムービーを進めていくアドベンチャーゲームがあったが、
今のFFはそれに近い感じかもしれない。

もうひとつ、グラフィックの進歩が原因とも考えられる。
例えばFFⅣとかⅤとかは、今プレイしてもとても面白い。
ファミコン時代の2等身キャラクターで、
セリフが文字だけでもバッチリ感情移入できる。
グラフィックがショポイ分、自分の想像力によって補完し、
キャラクターのイメージを自分なりに膨らませていく余地があるからだ。

FF5-1

今のFFは、とてもとても美しく、背景もキャラクターも完成されている。
故にキャラクターは「自分」ではなく「誰か」なのである。
自分でないのだから、いまひとつ感情移入できないのは当然のことだ。
リアリティというのは、何もビジュアル的な面だけではない。
グラフィックがショボくても、自分がその場にいると感じられれば
それがリアリティなのではないだろうか。

というようなことを、数度のメールで熱く語りあったわけである。

9月に発売された「ラブプラス」という、DS用のゲームが話題になっている。
よくある「恋愛シミュレーションもの」かと思いきや、
現実の季節や時間とゲーム中の時節がリンクしているため、
非常にリアルに感じるらしい。

loveplus

おかげで夢中になる男子が続出し、現実の彼女がゲームに嫉妬して
彼氏のDSを折ってしまう事態が多発しているという噂も聞くが、
つまりはそれが感情移入であり、リアリティだろうと。
ゲームの中の女の子の絵は、いくら可愛くても今風のタッチである。
ビジュアル的にはリアルでもなんでもない。
しかし、自分の操作で相手とコミュニケーションをとれることが
そのゲームの醍醐味なわけだろう。

FFには、ぜひともその精神を見失わないで頂きたいと思うのだが、
しかし、それも昔を知っているオッサンだからこその違和感であって、
初めてFFをやるような若い人たちは、まったく疑問も違和感もなく
「FFサイコー!!」とか思うんだろうなぁ、きっと。
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