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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

ギリギリのデザイン 1

ジュース、ジュースとよく言うが、
巷に出回っている飲み物のほとんどは
「ジュース」ではない。

コーラもポカリもファンタもピーチネクターも
正式には「清涼飲料水(ソフトドリンク)」というものだ。

「ジュース」と名乗っていいのは、果汁100%のものだけ。
つまり、本当に果汁だけで作られた飲み物だけなのだ。
ポンジュースやキリンのトロピカーナ、
コカコーラのミニッツメイドなどがそれにあたる。

というところまでは、わりと有名な話。

今回は、その果汁の割合によって
パッケージデザインも変えなければならないという話。

公正取引委員会による
「果実飲料の表示に関する公正競争規約」というものがある。

これには商品名やパッケージの文字表記にも規定があって、
例えば

(5)特選、精選、高級、デラックス、スペシャル等の表示は不当表示に該当する。

とある。
つまり、「スペシャル・ポカリスウェット」とか
「コカコーラ・デラックス」とかにしちゃいかんということだ。
他にも純正、純粋、ピュアって言葉も、簡単に使ってはいけない。

で、パッケージデザインについても、以下のような規定がある。

絵表示の基準
 ア 果汁入り飲料及びその他の飲料にあっては、果実から果汁のしずくが
   落ちている等の表示及び果実のスライス等の表示は不当表示に該当する。
 イ 果汁の使用割合が5%未満のもの及び果汁を含まないものにあっては、
   果実の絵を表示することは不当表示に該当する。
   ただし、図案化した絵は差し支えないものとする。 

つまり、果汁100%のもの以外は、パッケージに
果物のリアルな絵を載せちゃいかんというわけである。

かくして消費者は、パッと見ただけでこれが果汁100パーセントか否か、
果汁5%未満かがわかるわけである。

って、わかるかーい、そんなもん!
作る方もギリギリのラインでデザインしてくるから
この規約を知っていても、かなりじっくり見極めなければならない。

koiwai-2hon

小岩井純水りんご&純水みかん
50%りんご果汁入り飲料 190g
りんご、糖類、香料、酸味料、安定剤、カロチン色素
30%うんしゅうみかん果汁入り飲料 190g
うんしゅうみかん、果糖、ぶどう糖液糖、酸味料、香料、ビタミンC
キリンビバレッジ株式会社(2008)


ほらね。
かなりギリギリ。


これらは果汁100%ではないから、果実の絵は使ってよいが、
果汁のしずくは表示してはいけないことになる。
しかし、明らかにそれっぽいしたたりが。

だがよく見れば、この絵の果実は切られていないので
果汁がしたたることはないはず。

そう、このしたたりは、果実の表面についた水滴
したたっているのである。
あ~、ギリギリ。

しかも商品名は純水りんご
ではなく純だからギリギリセーフ

すげーよなぁ、商品開発って。

つづく


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コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

コンプライアンスってのもあるんですかね~
表示の事は全く知りませんでした
よくスタバのカップに似せた紙パッケージの
ミルクコーヒー飲料を見ますが
どっこもギリギリのとこでやってるんでしょうね
でも僕にはビールとコーヒーのCMはどうやっても
購買意欲にはつながらんわw
だって飲まないからねw

toru | URL | 2009-10-27(Tue)10:04 [編集]


スタバ

よく似たラベル見ますよね、スタバと。
あれ、どこまでやったら法的にひっかかるんでしょうね。
色が違えばいいとか、あるんでしょうかね。
プックオフとよく似たカラーリングの
本屋なんかもよく見かけます。
あれは登録商標や意匠登録になってないのかなぁ。

白馬 | URL | 2009-11-02(Mon)01:45 [編集]