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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

29 次世代への夜明け

「日進月歩」

まさに、この言葉がふさわしいだろう。

この時代のパソコンの進化は、今のパソコンの比ではなかった。
今のパソコンは基本的な性能に大差があるわけではなく、
どのパソコンでもだいたい同じことができるようになっている。
もちろんグラフィックボードを追加して3D演算処理を強化したり
OSの進化(WindowsXPからVISTAへ)とかはあるわけだが、
結局は処理速度が遅いか速いかの違いであり、
必然的に速度を上げていくことが
今のパソコンの性能向上を意味している。

ところが当時のパソコンは、処理速度はおろか、
色や音、漢字表示、ビデオ入出力など、今のパソコンが持っている
基本機能を、持っていたり持っていなかったりの差でもある。
次から次へと新機能が開発・搭載され、あるいは消滅していく。
そんな時代であったのだ。

新機能を搭載したものは当然値段も高く、
おいそれと買い換えられるものではない。
逆に、既存機種の廉価版は安く買えたりするので、
入門機として購入する新規ユーザーは当然そっちを買う。
すると市場には、従来の機能のパソコンと新機能のパソコンが
混在することになる。
結果として、ゲームやワープロなどのプログラムソフトは、
従来のパソコンでも使えるものが発売され続け、
新機能に対応したソフトは少なく、
せっかくの機能が日の目を見ないことも
しばしば起こり得るわけである。

新型機の台頭が成功した例は、NECのPC-8801シリーズである。
旧型の「PC-8801mkⅡ」から、新型の「PC-8801mkⅡSR」への
あまりにも劇的な変貌は、それまでのユーザーを一新するに至り、
ソフト会社側も旧型を見限り、SR専用ソフトを続々と発売していったのだ。

ところが不運なことに、我が愛すべきX1シリーズは、
カセット全盛期時代の頃から基本設計がよくできていたため、
古い機種を使い続けるユーザーが依然として多数存在し続けていた。
それにより、新機種に対応したソフトの開発が進まず、
呼応してハードの進化も遅れたのである。

だが、私は相変わらずX1で頑張っていた。
機能的に遅れをとったといっても、素人がホビーユースで音楽や
ゲームを作るには、全く申し分ないスペックだったし、
発売されるゲームなども、特に見劣りするものではなかったからだ。


動画はX1版「SUPER LAYDOCK(スーパーレイドック)」のオープニング
先に紹介したMSX2やMZ-2500などで発売されたシューティングゲームで
御三家では唯一X1のみに移植された。スクロールや色数などでは
見劣りするが、このX1版だけのオリジナルのオープニングデモと
ステレオFM音源のBGMで、シリーズ最高のデキとも言われた。


「NECや富士通が、やっとシャープに追いついた。」

そんな風にさえ見ることもできた。

だが、時代の波はまだ荒れ続け、
御三家のバランスは、ついに崩壊することとなるのだった。
しかもそれは、我がX1を開発したシャープの手によって始まるのである。

つづく
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