
「日進月歩」
まさに、この言葉がふさわしいだろう。
この時代のパソコンの進化は、今のパソコンの比ではなかった。
今のパソコンは基本的な性能に大差があるわけではなく、
どのパソコンでもだいたい同じことができるようになっている。
もちろんグラフィックボードを追加して3D演算処理を強化したり
OSの進化(WindowsXPからVISTAへ)とかはあるわけだが、
結局は処理速度が遅いか速いかの違いであり、
必然的に速度を上げていくことが
今のパソコンの性能向上を意味している。
ところが当時のパソコンは、処理速度はおろか、
色や音、漢字表示、ビデオ入出力など、今のパソコンが持っている
基本機能を、持っていたり持っていなかったりの差でもある。
次から次へと新機能が開発・搭載され、あるいは消滅していく。
そんな時代であったのだ。
新機能を搭載したものは当然値段も高く、
おいそれと買い換えられるものではない。
逆に、既存機種の廉価版は安く買えたりするので、
入門機として購入する新規ユーザーは当然そっちを買う。
すると市場には、従来の機能のパソコンと新機能のパソコンが
混在することになる。
結果として、ゲームやワープロなどのプログラムソフトは、
従来のパソコンでも使えるものが発売され続け、
新機能に対応したソフトは少なく、
せっかくの機能が日の目を見ないことも
しばしば起こり得るわけである。
新型機の台頭が成功した例は、NECのPC-8801シリーズである。
旧型の「PC-8801mkⅡ」から、新型の「PC-8801mkⅡSR」への
あまりにも劇的な変貌は、それまでのユーザーを一新するに至り、
ソフト会社側も旧型を見限り、SR専用ソフトを続々と発売していったのだ。
ところが不運なことに、我が愛すべきX1シリーズは、
カセット全盛期時代の頃から基本設計がよくできていたため、
古い機種を使い続けるユーザーが依然として多数存在し続けていた。
それにより、新機種に対応したソフトの開発が進まず、
呼応してハードの進化も遅れたのである。
だが、私は相変わらずX1で頑張っていた。
機能的に遅れをとったといっても、素人がホビーユースで音楽や
ゲームを作るには、全く申し分ないスペックだったし、
発売されるゲームなども、特に見劣りするものではなかったからだ。
動画はX1版「SUPER LAYDOCK(スーパーレイドック)」のオープニング
先に紹介したMSX2やMZ-2500などで発売されたシューティングゲームで
御三家では唯一X1のみに移植された。スクロールや色数などでは
見劣りするが、このX1版だけのオリジナルのオープニングデモと
ステレオFM音源のBGMで、シリーズ最高のデキとも言われた。
「NECや富士通が、やっとシャープに追いついた。」
そんな風にさえ見ることもできた。
だが、時代の波はまだ荒れ続け、
御三家のバランスは、ついに崩壊することとなるのだった。
しかもそれは、我がX1を開発したシャープの手によって始まるのである。
つづく
まさに、この言葉がふさわしいだろう。
この時代のパソコンの進化は、今のパソコンの比ではなかった。
今のパソコンは基本的な性能に大差があるわけではなく、
どのパソコンでもだいたい同じことができるようになっている。
もちろんグラフィックボードを追加して3D演算処理を強化したり
OSの進化(WindowsXPからVISTAへ)とかはあるわけだが、
結局は処理速度が遅いか速いかの違いであり、
必然的に速度を上げていくことが
今のパソコンの性能向上を意味している。
ところが当時のパソコンは、処理速度はおろか、
色や音、漢字表示、ビデオ入出力など、今のパソコンが持っている
基本機能を、持っていたり持っていなかったりの差でもある。
次から次へと新機能が開発・搭載され、あるいは消滅していく。
そんな時代であったのだ。
新機能を搭載したものは当然値段も高く、
おいそれと買い換えられるものではない。
逆に、既存機種の廉価版は安く買えたりするので、
入門機として購入する新規ユーザーは当然そっちを買う。
すると市場には、従来の機能のパソコンと新機能のパソコンが
混在することになる。
結果として、ゲームやワープロなどのプログラムソフトは、
従来のパソコンでも使えるものが発売され続け、
新機能に対応したソフトは少なく、
せっかくの機能が日の目を見ないことも
しばしば起こり得るわけである。
新型機の台頭が成功した例は、NECのPC-8801シリーズである。
旧型の「PC-8801mkⅡ」から、新型の「PC-8801mkⅡSR」への
あまりにも劇的な変貌は、それまでのユーザーを一新するに至り、
ソフト会社側も旧型を見限り、SR専用ソフトを続々と発売していったのだ。
ところが不運なことに、我が愛すべきX1シリーズは、
カセット全盛期時代の頃から基本設計がよくできていたため、
古い機種を使い続けるユーザーが依然として多数存在し続けていた。
それにより、新機種に対応したソフトの開発が進まず、
呼応してハードの進化も遅れたのである。
だが、私は相変わらずX1で頑張っていた。
機能的に遅れをとったといっても、素人がホビーユースで音楽や
ゲームを作るには、全く申し分ないスペックだったし、
発売されるゲームなども、特に見劣りするものではなかったからだ。
動画はX1版「SUPER LAYDOCK(スーパーレイドック)」のオープニング
先に紹介したMSX2やMZ-2500などで発売されたシューティングゲームで
御三家では唯一X1のみに移植された。スクロールや色数などでは
見劣りするが、このX1版だけのオリジナルのオープニングデモと
ステレオFM音源のBGMで、シリーズ最高のデキとも言われた。
「NECや富士通が、やっとシャープに追いついた。」
そんな風にさえ見ることもできた。
だが、時代の波はまだ荒れ続け、
御三家のバランスは、ついに崩壊することとなるのだった。
しかもそれは、我がX1を開発したシャープの手によって始まるのである。
つづく
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