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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

23 悲しい思い出

プログラムもよく作った。
当時は電波新聞社の「マイコンBASICマガジン」という雑誌が、
入門者のバイブル的存在であり、巻末にある投稿プログラムを
参考にしながら、CGや音楽、そしてゲームを作っていた。

X1は自分でゲームを作るのに適したパソコンだった。
「PCG」という機能によって、普通のパソコンでは難しいとされる
綺麗で大きなキャラクターを自分で作ることができ、
しかも高速で動かしたりすることが可能なのである。
これは、他メーカーのパソコンにはない機能なのだ。
市販のゲームに関しても、この機能のおかげで、
X1用のゲームだけは背景が滑らかに動いたりして、
友達から羨ましがられたものである。

「ハイドライド」という、当時とても人気だったゲームがある。

hydra-1

このゲームの画面は「ドラゴン・クエスト」のマップ上を歩く画面のように
上から見た視点でフィールドを走り回り、直接敵とぶつかって戦うもの。
「ドラゴン・クエスト」は自分が動くと背景がスクロールする(流れる)が、
当時パソコンでは、そのスクロールをさせるということが非常に難しかった。

hydlide-2

兄貴のFM-7でやった「ハイドライ」ドは、画面の端までいくと
次のフィールドに画面が切り替わるというもので、切り替わった瞬間に
目の前に敵がいてやられたりして、何ともやりにくいと思ったものだった。
しかし、X1用だけは自分の動きに合わせて背景が上下左右にスクロールするのだ!
X1用だけがファミコンに負けない、いや、ファミコン以上の画面を作り出せるのだ! 
すごいぞ、X1! さすがだ、X1!!

hydlide-3
X1版「HYDLIDE(ハイドライド)」静止画像


X1版「HYDLIDE(ハイドライド)」プレイ動画
(コメントが邪魔な場合は画面上の右端のアイコンをクリックしてね)

私は、この「ハイドライド」を友達から買い、クリア目指して日夜励んでいた。
そして、最終ボスのところまできたところで、セーブしておいた。
ある日、パソコンを持ってない友人らが、ぜひ見せて欲しいと遊びに来た。
私は自慢気にハイドライドを起動し、最終ボスと戦ってみるが勝てない。
友達のひとりが強引に「交代~」と言って、私からキーボードを奪った。





そして最終ボスを倒してしまった。 私の目の前で。 

・・・・・・この時の悲しみたるや。 
一瞬なにが起こったかわからない、時間が止まったかのようなショック。
それまで頑張ってきたことが走馬燈のように思い出されては消えてゆく…。
私の呆然とした顔を見て、他の友人も気まず~い雰囲気を察していたが、
クリアした当人だけは「やった!」と喜んでいた。 
思えばこいつはB型。 B型じゃあ、空気読めないのも仕方ない。
いや、読むつもりもないんだっけ? 「B型の取扱説明書」って本によると。
今でもつきあいがある数少ない友人だが、この時は恨んだねー。

それからは、自分がクリアしてないゲームは絶対にやらせなくなったのは
言うまでもない。 

この気持ち、わかるよね? ね?

つづく。


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