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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

おいしいコーヒーの真実

一周年を迎えたところで、
ちょっと真面目な話題を書いてみよう。

ここ最近、
缶コーヒーを続けて紹介しているのには
実は理由がある。

ちょっと考えてみて欲しい。

缶ジュース類の相場は120円である。
スーパーなどで安売りしていると80円台、
どんなに高くても200円は超えないだろう。
それは缶コーヒーもだいたい同じである。

しかし、お茶やジュースが350cc缶なのに対して、
コーヒーは190cc缶が一般的だ。
だから、コスト的には倍近く高いことになる。

それだけコーヒー豆やら焙煎方法やらに
手間とコストをかけている証拠なのかもしれないが、
実はこれでも安すぎる
言われたらどうだろうか。

コーヒー豆の世界的需要は、
中国などの発展に伴い年々増加している。
しかし、コーヒー豆の取引価格自体は、下がっているという。

豆の値段がそんなに安いのなら、
コーヒーの値段はもっと安くなってもいいものだが、
輸送やら焙煎やらの業者を経由するため、値段が上がる。
一般に店頭市場へとのぼるまでに
6回の中間マージンを経過するので、
最終的に1000倍ぐらいの値段になるというわけだ。

「おいしいコーヒーの真実」という映画がある。
それによれば、スターバックスのコーヒー1杯330円のうち
カフェ、小売、輸入業者の取り分は297円(90%)
輸出業者・地元の貿易会社の取り分は23円(7%)
コーヒーの農家の取り分は3~9円(1~3%)
だという。

ここから計算すると、コーヒー豆1kgで200~300円になる。
近年、FLO( Fairtrade Labelling Organizations International )という
国際ネット ワーク組織が設立され、フェアトレードを進めている。
FLOのフェアトレード基準は、308円/kgなので、
基準に近い価格で取引きされていると考えられるが、
それもごく最近のことで、現実には
もっと安く買い叩かれてきた。

「おいしいコーヒーの真実」の中で、
コーヒー会社にインタビューをするのだが、
スターバックスとネスカフェの2社は拒否している。
ま、つまりそーゆーことだ。

コーヒーは世界で日常的に飲まれ、
1日あたりの消費量は全世界で約20億杯にもなる。
そんなうまみのある大規模市場なのだから、
大企業がコーヒー市場を支配し、
石油に次ぐ取引規模を誇る国際商品にしている。

しかし、コーヒーの主な産地は、
一般に教育レベルの低い発展途上国である。
教育レベルが低いということは、
正しい相場や法的な知識が乏しいことになる。
それをいいことに、企業は大きな利益を得るため、
生産農家を丸め込んで安く買い叩く。
長い間、エチオピア産のコーヒーは商標登録が行われず、
スターバックスも 正しいライセンス契約を拒み続けてきた。

ところが、今年になってやっとエチオピアはスターバックスとの
ライセンス契約を結ぶことになったらしく、
これで生産農家の生活レベルは少し向上することになるだろう。

同時にスターバックスの収益は下がり、不況と相まって
ここ最近のスタバは経費節減のための社内研修やシステムの構築、
サービスの改変が行われているらしい。
アメリカのある会社では、社内の無料サービスだったコーヒーが
スタバからノーブランド品に変わったが、
それもスタバコーヒーの値段が上がったためもあるかもしれない。

近いうちにスターバックスのコーヒーが1杯500円を超え、
缶コーヒーの値段も300円ぐらいになる日が来るかも知れない。
しかしそれは、世界的にフェアトレードが進行し、
コーヒー農家の生活が改善されていった証拠だろうから、
コーヒー愛好家の人たちは、誇りをもってお金を払って欲しい。

て書くと、何だか嫌みっぽいな。

そもそも中間マージンが6回もあることや、生産地を離れてからの
輸送業者や小売業者の利益が90%も占めていることが問題だと思うので、
それらを改善すれば、コーヒーの値段は抑えられる。
例えば90%の部分を半分にすれば、生産地の価格が倍になったって、
スタバのコーヒーは212円で納まる。
半分と言わずとも、3分の2にしたって、余裕で現在の価格を下回る。

つまり、コーヒーという世界的大市場にたかっているハゲタカの数を減らすことが、
コーヒー農家を救うこと、そして消費者が将来的に継続して
美味しいコーヒーを安く飲めるようになることだと思う。

どうでしょうか、先進国のコーヒー会社さん。
安く買い叩いたコーヒーを仕事中にガバガバ飲むのを控え、
世界のためにちょっとだけ儲け至上主義を我慢してみては。
そうすれば、世界の何億人という貧困層が救われ、
会社のイメージアップにも繋がると思うんだけど。

というわけで、コーヒーについての真面目な話はこれにて。
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