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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

青い彗星 2

世はまさに、健康ブーム。
テレビでは通販番組がひっきりなしに放送され、
健康グッズが次々と紹介される。
一昨年に「ビリーズ・ブート・キャンプ」が流行ったのは
記憶に新しいだろう。

健康食品ブームは、そのさらに前から沸き起こっていて、
サプリメントだけでなく、お菓子や食料品にも、
「オリゴ糖入り!」とか「DHA配合!」を売り文句にした商品が
続々と発売された。

そんな流れの中で、ドリンク企業も黙っているわけがない。
スポーツドリンクやビタミン入り、アミノ酸入りなどが
次々と登場しては、消え去っていった。

そんな中で、比較的古参なのがサントリーの「DAKARA」だろう。

DAKARA long

DAKARA 
清涼飲料水 245g
糖類、水溶性食物繊維、オクタコサノール含有米胚芽抽出物、
酸味料、香料、塩化K、クエン酸K、乳酸Ca、塩化Ca、
甘味料、酸化Mg、イノシトール
サントリーフーズ株式会社 (2008)


「カラダ・バランス飲料」をキャッチコピーとし、
脂肪分・糖分・塩分といった「余分なもの」を体外に出し、
カルシウム・マグネシウム・食物繊維のような不足する成分を摂取する。
というのが商品コンセプトなのだが、はっきり言って
ポカリなど既存のスポーツドリンクと大差は感じられなかった。

また、「カラダ」をひっくり返しただけのネーミングが

「うーん、また変なのが出たなぁ。 どうだろう。」

と思わせたが、小便小僧のCMが面白かったのがよかった。



そんなダカラも今年でついに10周年。
個人的にはCMのうまさが人気の要因だと思っていたが、
調べてみると、なかなかきちんと開発されているらしい。

開発当初は「ポカリスエット」や「アクエリアス」といった
既存のスポーツドリンクへの対抗商品として
「もうひと頑張りできる働く男のスポーツドリンク」という
製品コンセプトが2年間をかけて設定された。
しかしその過程で詳細に調べていくうちに、スポーツドリンクが飲まれるのは
スポーツ後ではなく、むしろ二日酔いの後や仕事の合間が多いこと、
食生活の乱れが顕著であることなどからコンセプトが再設定され、
さらに2年間を経て発売となった。

となっている。 つまり足かけ4年。
後半のコンセプト変更は、なかなか鋭いところをついているなぁ思うが、
前半のコンセプト設定で2年は、かかりすぎじゃなかろうか。
新商品開発って、普通そんなもんなの?
トヨタの新車開発は、とても2年かかってるとは思えないけど(笑)。



現在は天海祐希が「出たな! 余分3兄弟!」と言うシリーズの
CMが絶賛放映中で、Web限定特別バージョンでは、
セリフがちょっと違っていて面白い。

今のデザインは、まるで前回の「炭酸少年」を引き継いだかのような
空のイラストをあしらった爽やかなデザインとなっている。
てゆーか同じサントリーだし、デザイナー同じなんだよな、きっと。
それか、絶命した「炭酸少年」のデザインをそのまま持ってきた??

それまでのDAKARAのデザインは、まさしく白をベースにした
シンプルなデザインで、まさしく「薬品」のようなイメージだった。 
初登場の時のデザインはちょっとシンプルすぎて、
若干物足りない印象も受けたが、10年も続けば、
それがトレードマークになるものである。

DAKARA3
      2000年            2005年            2006年

デザインがリニューアルされるたびに、コンセプトをいかに伝えるかで
紆余曲折しているのが手に取るようだが、カラーリングは変わらず
個人的には好きな缶だった。

ただ、今の缶だけが気に入らない。
この爽やかな青空は、DAKARAに必要なのか!?
「余分3兄弟」を起用しているCMとも、かけ離れていないか!?

今ではペットボトルに主力が移り、缶バージョンをなかなか見かけない。
この青空は10年目を迎えて、新たな境地へ旅立つことの表れだろうか。
「ゼロ・スタイル」を打ち出して、「0」の文字が邪魔なデザイン。
カロリーはゼロじゃないから、勘違いさせるのが狙いか?

次はどう変わっていくのか、変化が楽しみな商品である。



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青い彗星 1

今回は久しぶりにデザインに重点を置いた内容にしよう。
本来そういう趣旨のブログだし(笑)。

ずいぶん前に缶のデザインにおいて、タブーとされてきた
青色を使うようになったのは、「ポカリスウェット」の功績だという話をした。
しかし、それはもちろんポカリがスポーツドリンクという
新しいジャンルのドリンクだったからでもある。
もし、オレンジ味やグレープフルーツ味のジュースだったなら、
やっぱり青色は使わなかっただろうし、
現在でも青色をしたドリンク缶の比率は極めて低い。

しかし、ポカリが確立したスポーツドリンクや機能性ドリンクなどには
今や当たり前のように青色が使われている。
前に紹介した「テラ」「エア」、定番の「アクエリアス」、他には「ミウ」などもある。

MIU1

同時に白色が効果的に使われるようにもなった。
最近は「アミノサプリ」や「ダカラ」のように、
白をベースにしたデザインも少なくない。

aminosupli

この「アミノサプリ」のように、赤と白の組み合わせは
赤十字のカラーリングのため病院とか薬品をイメージするが、
青と白の組み合わせは薬品的なイメージではない。
本来は青い空と白い雲など、つまりは爽やかなイメージだ。
だから、その爽やかさを利用して炭酸飲料にも用いられている。

tansanboy

このすばらしく典型的に爽やかなデザインはどうだろうか。
商品名も、マンガのタイトルみたいだ。 「絶対少年」とかなかったっけ?

サントリーの広報も

パッケージデザインは、あざやかな青空に白い雲、
 そこに紙ヒコーキを配したさわやかなデザインで、
 楽しかったあの頃とすっきりした味わいを表現しています
。」

と書いている。

そんな少年も一時期は自販機でよく見かけたが、
彗星のように駆け抜けて、今や姿を消してしまった。
「純水」を使用しているところが売りで、昔のサイダーのような感じだったが、
数年で消えてしまったということは、定着しなかったということだ。

デザインとしても、私はいまいちだと思っていた。
青と白の組み合わせは、私も好きなのだが、
爽やかだからいいデザインとは必ずしも言えない。
「炭酸少年」は、写真やイラストとしてはいいとしても、
ドリンク缶のデザインと考えた時、微妙な印象だったのだ。

あまりにも普通で当たり前なデザインは、いくら美しくても印象に残らない。
かといってあまりに奇抜すぎるのも長くは続かない。

「印象的だけど飽きがこない。」

これがデザインにも人間にも、必要な魅力だと思う。
それが難しいんだけどね~。




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三十丸、追撃!

しばらく忙しかったので、更新がとどこおっておりました。

基本的に「ペットボトルはコレクションの対象ではない」ので、今回は微妙なもの扱いで。

ゴマ油です。 
30丸

いや、お茶だけどね。
このボトルのひょうたん型といい、濃い茶色の中身といい、
飲み物のコーナーに置いてなかったら、絶対ゴマ油だと勘違いするよ。
実際、最初にパッと見た時に「なんでゴマ油が?」と一瞬思ったし。
だから、これはネタにしようと買ってしまった。

この「すっきり旨み 三十丸」、
色んな茶葉が30品目もブレンドされているのがウリなんだけど、
味は、はっきり言ってハト麦茶。
よって、成分はハトムギに始まって、ハブ茶、玄米…などはいいとして、
後半には昆布サツマイモ椎茸まで入っていて、
すでに茶葉ではない。
ここまでくると、漢方薬の世界になってくるんじゃないだろうか。
カレーのスパイスじゃないんだから、ブレンドが多けりゃいいってもんじゃないと思うが、
次から次へと色んなお茶が出る激戦カテゴリで目立つには
ここまで混ぜにゃならんのが現実なのだろーかと、哀れみすら誘う。

その昔、ヒーローロボットアニメでは、スポンサーの意向もあって
合体ものが多かった時代があった。
主役のロボットが1機より、たくさんあった方がおもちゃがたくさん売れるからだ。
最初は3機合体で、5機合体になり、6機合体が出て、
ついには16機合体というありさまで、
もう、どれがどれだか訳が分からないところまでいきついた。

昨今のお茶戦争も、その様を呈しているように見える。
それも「十六茶」「爽健美茶」に始まる功罪か。
なるほど、他社のヒット商品を追撃する商品なのですな。
確かにHPを見ると、意外と丁寧に紹介されている。
(いや、サントリーのHPは全体的によくできているのだが)

しかし、それにしてもだ。
このパッケージデザインはひどい。ひどすぎる。
せっかく30品目も使っているというのに、まったく気合いが感じられない
色遣いもロゴも、無難も無難。2時間で作れてしまうデザインだ。
しかも見た目がゴマ油
「烏龍茶」「伊右衛門」といった、大ヒット商品を生み出したサントリーとは思えない。
これはどういうことか。
同じ飲料部門の中にも、いくつかの開発チームがあって、
この三十丸は立場の弱いチームだったりとかするのだろうか。
いろいろ邪推してしまうが、とにかくこのデザインと味はないよなぁ。
これは某100円均一ショップで見つけたのだが、そういえばコンビニなどではまず見ない。
つまり、やはりそれだけの扱いということなのだろう。
デザインが商品の格を左右する好例として取り上げたわけだが、
もちろん、飲んだ後はリサイクルとして捨てました。惜しげもなく。

こうしたブレンド茶戦争、
そのうち「256品目をブレンド」とか出てきそうだが、
その時は、マムシとか葛根湯までブレンドされているかも知れない。


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