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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

35 世界のパソコン 2

さて、ワンボードマイコンからの進化は
この「パソコンの歴史」の冒頭部を読んでもらうとして、
コンピュータ発祥のアメリカでは、
どういう発展をしてきたのか。

外国製のパソコンについては、あまり詳しくない上に
とっても詳しい方々がいっぱいいるだろうから、
ここでは簡単に書いておく。

まず、「ATARI(アタリ)」という、日本人からすると
ふざけた感じに聞こえる名前のゲーム会社がある。
ATARI logo

世界初のビデオゲーム会社で、
もともとはピンボールゲームから始まっているが、
カセットを入れ替えることで色んなゲームが
遊べるという家庭用ゲーム機を作って大ヒット。
それまでは内蔵されたゲームしか遊べないタイプで
当然、日本のファミコンの発売よりはるか前の話である。
そのアタリ社の技師を勤めていたスティーブ・ショブズ氏と、
もともとは計測器メーカーだったヒューレット・パッカード社に
勤めていたスティーブ・ウォズニアック氏は
地元のコンピュータ・マニアの集まりで知り合った。

当時、インテルが発売したマイクロ・プロセッサを使った
「Altair8080(アルテア)」というキット型のコンピュータが
アメリカで売れていた。
Altair8080
この手のワンボードマイコンは日本にも輸入され、
日本製でもNECのTK-80が同じプロセッサを使用している。

それを見たジョブズとウォズニアックは、
「もっと安くて簡単でいいものが作れる」
と別の会社のマイクロ・プロセッサを使った試作機を作った。
その3ヶ月後にApple社を立ち上げて、
組み立て式コンピュータを販売した。
それが「AppleⅠ(アップル・ワン)」(1976)である。
「AppleⅠ」は組み立て式なので、製品としてはCPUしかなく、
ボディーケースやキーボードなどは自前で用意しなければならなかった。
よって、下の写真の木製筐体はオーナーの自作だろう。
家庭用テレビへつなげたり、BASICが使えたりと、
基本性能は備えていた。 生産数がわずか200台
右の絵は、アップル社の最初のロゴマーク。

Apple I Aplle logo 1

彼らは会社を退職して、翌年には「Ⅰ」を改良した「Apple Ⅱ」を発売。
世界で初めて個人向けに作られた完成品コンピュータとして
大量生産・大量販売されたマイクロコンピュータである。
これが累計500万台以上と爆発的に売れた。
売れた要因として、「AppleⅡ」発売の際に販促として「Ⅰ」ユーザーへの
無償交換キャンペーンでグレードアップを行ったこともあげられる。
これにより「AppleⅠ」はほとんど現存しておらず、
今では数百万円で取り引きされるほどのレアな機体となってしまった。

Apple II Apple logo 2

売れたもうひとつの理由は「オールインワンコンピュータ」であること。
本体、キーボード、モニターが揃っていて組み立てる必要がなく、
画像出力、音声出力、外部装置との接続、プログラム用言語などを
全て初めから内蔵しており、買ってきて電源さえ入れれば、
誰でもすぐに使えるというのが、一般層のハートをわしづかみにしたのだ。
今では当たり前のことだが、パソコンが一部マニアによるものだった時代に、
これは画期的だったに違いない。
しかも、付属モニターは白黒だが、テレビにつなげばカラー表示もできる。
これにより、ゲームもたくさん作られた。 子どもの心もわしづかみである。
ロゴマークが6色になったのも、それを表している。

さらに売り上げを伸ばした理由は、日本では高価だったために普及が遅れた
FDD(フロッピーディスクドライブ)が安価で市場に出回ったことである。
FDD版で売られたアップル用の表計算ソフトは、
ビジネスはおろか、教育現場や一般家庭でも広く受け入れられた。
アメリカでは、サラリーマン家庭でも確定申告が必要だというから、
そりゃ、毎日忙しいサラリーマンが、
カセットテープのロード時間なんて待ってられんよなぁ。

AppleⅡ
AppleⅡ FDD2基搭載タイプ「europlus」

日本では、このアップルⅡ成功の翌年に、
シャープが完成品コンピュータ「MZ-80K2」を発売している。
NECの「PC-8001」登場はさらに翌年。
FDDが定着するのは、さらに4年後になる。

つづく

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34 世界のパソコン 1

ずっとパソコンの歴史を語ってきたが、
気づいてる人は気づいてるかも知れない。
実は外国製のパソコンを全く無視してきたのだ。

コンピュータの歴史を真面目に語ろうとしたら
アメリカを無視するわけにはいかない。
しかし、そこからやり出すと、もうこのシリーズ、
1000回ぐらいまでいっても終わらない気がする。

なので、ちょっとまとめてみる。

まず、コンピュータのことを「電子計算機」と言うが、
それは歯車などを組み合わせて作られた
物理的な「機械式計算機」に相対する名称である。
プログラムによって動作する計算機。
それがコンピュータと定義される。

世界初のコンピュータは、
1942年にアメリカのアイオワ州立大学の教授と学生が開発した
「アタナソフ・ベリー・コンピュータ(Atanasoff-Berry Computer)」、
その頭文字をとって「ABC」と呼ばれたものとされている。
300本ほどの真空管と論理回路、入力用パンチカ-ド読取機、
記憶磁気ドラムなどで出来ており、その後のコンピュータの
基礎となる多くのアイデアが散りばめてあった。

そのアイディアをもとにして、米国陸軍の予算で開発され、
4年後にペンシルバニア大学で発表されたコンピュータが
「Electronic Numerical Integrator and Computer」、
頭文字をとって「ENIAC(エニアック)」であった。

ENIAC ENIAC 2

18,800本もの真空管、7万個の抵抗、1万個のコンデンサ、
6,000個のスイッチからなる大規模な電子計算機で、
その床面積は100平方メートル、重量は約30トンもあった。
この超巨大コンピュータ、当時は大砲の弾道計算などに
使われる予定だったが、第2次大戦が終わってしまったので、
完成後は原爆のシミュレーション計算などに使われた。
マンション2戸分ほどの広さに設置されたエニアックだが、
その性能は当然今のパソコンの足元にも及ばない。

て、そもそも真空管なんてものを現代っ子は知らないだろうなぁ
はるか昔はテレビにもラジオにも使われていたものだったが、
今じゃ、お目にかかることは、まず無理な部品(↓)。

shincookan shincookan2

さて、こんなコンピュータはあくまで大規模研究用であり、
個人が持つなどとんでもないものである。
個人が持てるマイクロ・コンピュータ(マイコン)が
作られるには、まず小型化を実現する技術が不可欠だった。
そのためには、真空管にとってかわるものが必要で、
電子回路は「トランジスタ」(↓左)へ、
さらに「LSI (IC)」(↓右)へと進化。

trungista IC

そして「インテル」が開発した「マイクロ・プロセッサ」という
半導体(↓左)が誕生する。 これが1971年のこと。
先述の「ENIAC(エニアック)」ほどの性能が、
この手のひらサイズ以下の小さな半導体で、
可能になったのである。

MCS TK-80

実はこの半導体、作ったのはインテル社だったが、
それは日本の小型電卓に利用するためだった。
だから、当初は半導体の販売権は日本が持っていた。
しかし、その後インテル社はその利用性の高さに気づき、
日本から半導体の販売権を買い戻している。
それがワンボードマイコン(↑右)の心臓部として利用され、
今のパソコンへの起源となったのである。

intel logo 1 microsoft 1

もしこの時、日本が販売権を手放していなかったら…。
今のウィンドウズパソコンではなく、
日本製のパソコンが世界を席巻し、
ビル・ゲイツは日本に頭が上がらない、
なんてことになっていたかもしれない。

つづく

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33 閑話休題 4

で、なぜ今回、こんな閑話休題を書いたかというと、
気になる「8」という数字である。

富士通の「FM-8」
NECの「PC-8801」
シャープX1の「CZ-800C」

いずれも「8」で始まっている。 
この「8」の意味は何なのか?

普通、工業製品の型番というのは、
そのまま開発ナンバーだったりする。
だから初代が0か1で、
代替わりするたびに2、3、4と増えていく。

例えば前にも書いた携帯電話。
N700やN900がFOMシリーズの最初で
新型は701→702→703、901→902→903となる。

P900series
  N900     N901    N902    N903    N904    N905

600番台まではmovaに使われた番号だし、
800番台は昔存在していたドッチーモ(携帯とPHSの複合機)に
使われていた。
現在のらくらくホンシリーズは880番台。

車の世界でも同様で、日産のスカイラインは
4代目からR30という型番を与えられ、
そのままR31→R32→R33→R34と変遷している。

GT-R history
   R30       R31       R32        R33       R34

電化製品でいえば、
「NV-HXB10」という型番のビデオデッキがあるが、
これは、N=ナショナル、V=ビデオ、
HXが商品モデル名で、そのBタイプの10番目、
という推測ができる。
ただ、これらは正式に商品化された順に番号を振るのが
一般的で、開発中は違う番号で呼んでいる場合もある。 
だから欠番が存在しない。

たしか、家庭用ゲーム機の「セガサターン」は
SS
商品化の際に別の名前にする予定だったが、
開発時のスタッフが「サターン」と呼んでたので
そのまま商品名にしてしまったとセガの人から生で聞いた。
型番ではないが、こーゆーパターンも結構ある。
なんで「土星」だったんだろうね。
CD-ROMの形から連想したのかな。

他には、年号を使うパターンもある。
F1のフェラーリがそうで、「F2007」とかそのまんま。

F2007

そりゃ、1年に1種類しか作んないんだからねぇ。

ガンダムは「RX-78」が型式名だが、これも劇中の
時代設定である「宇宙世紀0078年」という年号から。
放送されたのが1979年だから、作ってたのは78年だ。
「RX」は、メカデザインの大河原邦男の愛車が
当時のRX-7だったからというのは有名な話。
なお、ガンダムはRX-78、ガンキャノンはRX-77、
ガンタンクがRX-75で、RX-76は欠番になっている。

RX-78 RX-77 RX-75
     RX-78            RX-77            RX-75

さらにジオン軍側のモビルスーツは「MS-06」などといい、
これは「MobileSuite」の頭文字だと思われるわけだが、
なんとマツダの他の車はMSという名前がついており、
MS-6やMS-8という車も実在していたのだ。
これまた偶然の一致ではないだろう。

いや、ガンダム話はこれぐらいにして、
とにかくパソコンの型番に話を戻すと、
富士通「FM-8」には、「FM-1」や「FM-2」という
プロトタイプが存在していたのか?
NECも「PC-1001」などの研究試作機があったのか?
シャープX1「CZ-800C」はいきなり8代目なのか!?
CはカラーのCなのか、カセットのCなのか!?
すべて謎なのである。

だいたい、そろいも揃って「8」である。
何か意味があるに違いない。
表示できた色数が8色だからか? 
8ビットパソコンだからか?
CPUがZ80だからか?(富士通はM6809)
この謎については、調べてみたが全く分からない。
誰か知ってたら教えてください。
ちなみに「PC-6601」の「6」の意味も分からないので
合わせてお願いしたい。

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32 閑話休題 3

で、我らがシャープはどうかというと、ずーっと「X1」である。
NECの「PC-8801」と同じく、「X1」が商品ブランド名だからだ。
だだし、他社との決定的な違いがある。
それは正式な別名、「CZ」という型番がきちんと存在することだ。

例えば、マツダの「RX-7」というスポーツカーは、
大きく分けて3種類存在している。
同じ「RX-7」といっても、モデルチェンジをすれば
ボディの形も性能も全く変わる。

RX-7 history

だから、いつの「RX-7」の話なのかが分かるように
初代を「SA」、2代目は「FC」、3代目が「FD」と、
型番で言い分けたりする。
「愛車はSAです。」と言われれば、
「あ、この人は古い車に乗ってるんだな~」と分かる。

他にもソニーのヘッドホンステレオ「ウォークマン」だが、
カセットテープの頃から商品名は「ウォークマン」であり、
時代が変わってもCDの「ウォークマン」、MDの「ウォークマン」、
現在のメモリスティック型も「ウォークマン」である。

WALKMAN-history2

でも、商品の型番は「WM-GX788」とか「D-NE830」とか
「MZ-1」とか「NW-X1060」とかへと変わっている。

普通はこうして商品名と製品型番があるものだが、
当時のパソコンでは商品名=型番というものも多かった。
そんな中でX1シリーズは次のように型番がついていた。
さて、初代から見てみよう。

X1       CZ-800C
X1C      CZ-801C
X1D      CZ-802C
X1Cs     CZ-803C
X1Ck     CZ-804C
X1F      CZ-811C、CZ-812C
X1G      CZ-820C~CZ-822C
X1turbo    CZ-850C~CZ-852C
X1turboⅡ  CZ-856C
X1turboⅢ  CZ-870C
X1turboZ   CZ-880C
X1turboZⅡ CZ-881C
X1turboZⅢ CZ-888C

X1 history

なんとも几帳面で律儀な型番である。
さすが家電メーカーと言うべきか。
ここまでくっきりしてると、型番いらないんじゃないかと
思われるが、X1F、G、turboあたりに存在していた
フロッピーディスクドライブの数によって分けられた
モデル、型番によっても分かる。 
逆に言えばそれだけ。
「オレのパソコン、CZ-852Cなんだ。」
「へ~、フロッピー2ドライブなんて、すごいじゃん。」
などという会話は…しなかったね。
ちなみに、専用プリンターにも「CZ-8PC2」などと型番があった。

つづく

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31 閑話休題 2

NECはグレードによって
PC-6000、PC-6600、PC-8000、PC-8800シリーズと
4ラインナップあった。
でも、PC-8801の次がPC-8802とはならず、

PC-8801
PC-8801mkⅡ
PC-8801mkⅡSR
PC-8801mkⅡTR
PC-8801mkⅡMR
PC-8801 FH
PC-8801 MH
PC-8801 FA
PC-8801 MA
PC-8801 FE
PC-8801 MA2
PC-8801 FE2

PC88 history

と、末尾のアルファベットが変わるだけである。
つまり「PC-8801」が商品ブランド名なわけやね。

SRは「SUPER(スーパー)」の意味かと思ったが詳細は不明。
TRはパソコン通信機能搭載なので「Telephone」のTだろうが、
それ以外はもうわかんない。 
一応意味はあると思うのだが、とにかく「PC-8801」は変わらずで、
その分かりやすさも、ユーザーにはウケがよかったのかも。

ちなみに、この「PC-8801mkⅡ」の方が
「ガンダムマーク2」より先である。
だから「ガンダムマーク2の次はSRか!?」と思ったが、
さすがにそれはなかった。
GUNDAM mk2

つづく


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