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飛行缶 -SORA・TOBU・CAN-

デザインがカッコイイ缶を集め出したのが始まりでした。気づけば部屋中に大量の缶が。エピソードとともに整理しながら発表していきますので、おつきあい頂ければ幸いです。

BOSSの缶、血に染めて 2

11月18日、BOSSの新バージョンが発売された。

なんと赤い!! 

BOSS-2

ザ・エスプレッソ ボスの休暇
コーヒー 190ml
牛乳、コーヒー、砂糖、クリーム、カゼインNa、乳化剤、安定剤(カラギナン)
サントリーフーズ株式会社 (2008.11.18.)


この突発的なカラー変更。
まるで、このブログのネタのために発売されたかのような缶だ。

うーむ。
見れば見るほど真っ赤だ。
真紅と言ってもいい。
まるでフェラーリのようなレッドだ。
午後の紅茶」でも、ここまでのじゃなかったぞ。

これはこれでいい。
前回のシンプルなデザインを継承し、
さらりと真っ赤な面積が多く、とっても目立つ。
惜しむらくは、今回は光沢塗装という点だ。
ぜひ、去年のようなマット仕上げにして欲しかった。
マット塗装の。んー、想像するだけでシブイ。

しかし、ちょっと待て。

実は、こいつを購入した時、
隣近所にも真っ赤なコーヒーが何種類か並んでいた。

BOSS-4

なぜか他のメーカーも赤で出しているのだ。
しかも、あからさまに同じ感じに赤いやつもある。
なぜ、みんな揃ってなのだ? 企画の段階で情報漏洩か?
それとも、今年か来年のラッキーカラーなのか?
ニュース類をチェックしても、赤い理由は書いてない。
BOSSも色のこと以外は、去年と寸分変わっていない。
つまり、中身は同じで、パッケージのリニューアルだけというわけだ。

うーむ、それにしても気になる。
なぜ、各メーカーそろって、なのか…。


あ…。


もしかして…。


来年、丑(うし)年だから…?



…。


じゃあ、来年の秋に出るのは黄色だ。
 



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BOSS-3
      それとも、正月を前にして、紅白に並べてめでたさの演出か?

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BOSSの缶、血に染めて 1


つい最近買ったものだが、もう1年前に発売されてたんだねー。

サントリーのデザインは、全体的に秀逸なものが多いと以前にも書いたが、
缶コーヒーのBOSSシリーズも、なかなかいいデザインをしているものがある。
定番の「カフェ・オレ」や「ブラック」のように、ロゴを縦に寝かせたものなどが、
他メーカーと一線を画す王道かつ巧いデザインだと思っている。
しかし、「レインボー・マウンテン」のように、名前の通りだが
ちょっと派手すぎると感じるデザインもままある。

そんなサントリーのBOSSシリーズに、とんでもなくシンプルなものが出た。

BOSS-1
ザ・エスプレッソ ボスの休日
コーヒー 190ml
牛乳、コーヒー、砂糖、クリーム、カゼインNa、乳化剤、安定剤(カラギナン)
サントリーフーズ株式会社 (2007.11.27.)


素晴らしい。 

お茶カテゴリと双璧を成す激戦区のコーヒーカテゴリにおいて、
このシンプルさは商品棚でも異常に目立つ。
本来、美しいデザインとは「余分なものをそぎ落とす」ことによって生まれる。
これは、そのいい例ではないだろうか。
また、この白がいい。光沢ではなくマット(つや消し)なのだ。
単なる白の光沢より、この方が高級感も出ている。
他の缶も真似すればいいのに。
塗膜が厚くなるから、コスト的に難しいのかな。

ちなみに、私はコーヒー通ではないので、味についてはメーカーの広告を引用しよう。

「ザ・エスプレッソ ボスの休日」は、たまの休みや仕事終わりなど、リラックスしたい時に、
 “普段よりちょっといいもの、贅沢なものを味わいたい”という人に向けて開発された、
 新しい味わいのボスだ。焙煎したコーヒー豆本来の香りとコクを封じ込める同社独自の
 製法によって抽出したエスプレッソを最大限使用し、豊かな香りと芳醇なコクを実現。
 さらに、良質な牛乳と生クリームを合わせて20%以上使用することで、
 まろやかで濃厚感のある味わいに仕上げた。」

これでいいかな。コーヒー通でない私でも美味しく飲めた、とは書いておこう。

で、それから1年経った今週。
なんと、続編が登場した。

つづく



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見た目は悪いがゴクリとうまい

このブログは、ジュース缶のデザインについて語るものである。

これまでも「ポカリスウェット」など、時代を切り開いた斬新なデザインなどに
触れてきた。他にもびっくりするようなデザインの缶は時々世に出てきたが、
さすがにこれが発売された時の衝撃は群を抜いている。

だってこれは、すでにジュースにすら見えなかったのだから。

Gokuri

Gokuri まるごと旨搾り オレンジ
37%オレンジ果汁入り飲料 415g
オレンジ、果実繊維、果糖ぶどう糖液糖、酸味料、
香料、保存料(安息香酸Na)、ビタミンC
サントリーフーズ株式会社 (2002)


かの有名な「Gokuri」である。
たぶん、青い缶の「グレープフルーツ」味はご存じだろう。
今や、すっかり定番商品の位置を確立し、
「Gokuri愛好家」と自称する人たちまで生まれた人気商品である。

が、この「Gokuriオレンジ」の販売には、ちょっとしたいわくがある。

もともとは2002年4月に発売された「グレープフルーツ」が最初である。
それまでよくあったグレープフルーツジュースは、
濃縮還元で果汁率は高くても、さらりとした口当たりで
いまいち物足りないと感じていたジュース愛好家も多かったのではなかろうか。
また、グレープフルーツ=酸っぱいというイメージに合わせるためか、
妙に酸っぱさだけを強調したものも少なくなかった。
もっとグレープフルーツの持つうまみを味わいたい。
そんな消費者の要望にマッチしたのか、このGokuriはまたたく間にヒットした。

かくいう私もグレープフルーツジュースは好きな方で、
酸っぱすぎず、甘すぎず、果実繊維も入っているGokuriはお気に入りだった。
缶のボトルで、サイズはペットボトルよりも小さいが、
飲み口が大きくなっていて飲みやすくなっているデザインも、
スタイリッシュなような無骨なような斬新さで目を引いた。

と、その年の秋に新発売されたのが、この「オレンジ」だ。
そして見て分かる通り黒い
しかも半端な黒さではない。全身真っ黒だ。
中央にしずくを垂らしたオレンジ果実が描かれているが、
これがまた遠目から見ると、黒い背景に浮かぶ目ん玉のようにも見える。
はっきり言って、ジュースに見えない。
美味しそうどころか、毒でも入ってるんじゃないかと思わせる。

想像してみて欲しい。
黄色など、色鮮やかな缶が並んでいる商品棚に
ちょっと大きめの真っ黒な物体が並んでいたら。
そりゃ、もう目を引くどころか、身に危険を覚えるぐらい衝撃的な光景だ。

そもそも黒いボトルなんて、墨汁かしょう油ぐらいしか連想しない。
それが、オレンジジュースだとお!?
なかなか挑戦的なことしてくれるやんけ。
さすが、これまでも素晴らしいデザインで定番商品を確立してきたサントリーだ。
よーし、買ったろ。

私は買ってみた。そして飲んでみた。

ウマイ。 

もともと粒入りオレンジジュースが大好物な私には、
この果実繊維入りオレンジジュースはバッチリハマッたのだった。
それはもう、久しぶりにハートをガッチリわしづかみされました。

こうして、見た目のインパクトとは裏腹にイケるGokuriオレンジは
すっかりお気に入りの1本になった。

だが、しばらくして「Gokuriオレンジ」は店頭から姿を消した。
私は探し回ったが、見つからなかった。
やはり、あの黒いデザインが不評だったのだろうか。
私は恋人に去られたような心境だった。

ごめん、これはいいすぎ。

気になって調べてみると、どうやら期間限定の販売だったらしい。
サントリーによると、「グレープフルーツ」が販売開始以来、
予想を超える売り上げにより、原料となるグレープフルーツが足りなくなったというのだ。
なるほど、果肉を使っている以上、収穫された果実を超える量は作れないということか。
輸入大国日本といえども、予想外に対応する調達は難しかったようだ。
こうしてグレープフルーツ味は翌年春まで販売休止となり、
その間の代替商品としてこのオレンジ味が販売されたのだった。
言われてみれば、一時期「グレープフルーツ」の方を見かけなかった。
てっきり、店側が新商品だけを仕入れたものだと思っていたが、
販売休止になっていたとは気づかなかった。

グレープフルーツの代わりとして急遽登場となったオレンジ味。
それにしては、このデザインはかなり冒険である。
いや、期間限定だからこそ、冒険できたといえるのか。

何にしても、この「Gokuriオレンジ」の復活を願ってやまない。
もう一度、帰ってきておくれ~。





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飲め!スマップ

雑談が続いたので、久しぶりに真面目なデザインの話でもしようか。

と思って、選んだのがこれ。

Smap1

Drink! Smap! 
炭酸飲料 350ml
糖類、香料、酸味料、カラメル色素、カフェイン
キリンビバレッジ(2002)


独特のデザインなので、記憶にある人も多いかも知れない。
また特に関東地方では、目にした機会が多いかも。
この缶は、前代未聞の自販機ジャックをやったのだ。
自販機ジャックとは、自販機のサンプルはおろか、
自販機自体の外装からなにから全て、この缶のデザインに統一し、
それを複数台並べてしまうという、意表をついた販売形態をとったのだ。
もちろんこれは通常販売ではない。目的は宣伝だ。

Smap3

これとよく似たことを、歌手の「氷室京介」がやったことがある。
電車の中吊り広告を、全車両全て新作アルバムCDの広告で
埋め尽くすというものだった。
どの車両に乗っても、目に入る全ての広告が氷室京介。
しかも真っ赤な広告だったので、車内の景色が目に痛いこと。
この広告ジャックは、スケールの大きさで話題になったものだ。

時は21世紀に入り、かの有名なアイドルグループ「スマップ」が、
新しいアルバムCDを発売することとなった。

その名も「Drink ! Smap ! 」。

このアルバム名は「渇いた心を潤す」というコンセプトからつけられたというが、
当然ながらドリンク展開をふまえてこじつけた命名だろう。
スマップ缶は、CD発売と同時に組まれた全国ツアーの期間限定で
2002年7月~11月のみ、キリンから全国に発売された。
ま、つまり音楽業界のビクターエンターテイメントと
飲料メーカーのキリンビバレッジがタイアップして、
双方の販売促進を目論んだ商品というわけだ。

ただ、今回のびっくりはそのデザイン展開だった。
アルバムCDのジャケットには、このスマップ缶が描かれており、
スマップ缶はまさしくアルバムジャケットから飛び出てきたような
「そのまんまのデザイン」で発売されたのだ。

Smap2

この缶のデザインについて詳しくはあとで触れるが、
とりあえずパッと見た時に目を引いたのは間違いない。
なんたって、Smap!と赤文字でデカデカと書かれているのだ。
私は芸能ネタに興味がないので、アルバム発売など知らなかったが、
さすがにスマップは知っているので、初めてコンビニで缶を見た時には
なんの冗談だ?」と思って手に取ったのだった。
だから、デザイン的にも話題になっていたのは不覚にも現物を見てからだった。

今回のジャケットやポスターなど、この企画に関するデザインの
総合ディレクターとして白羽の矢が立ったのが「佐藤可士和」である。
佐藤可士和は、デザイン業界では知らないものはいない売れっ子で、
ホンダステップワゴンの「こどもと一緒にどこいこう」というCMを作った人物。
他には、NTTドコモのN702シリーズをデザインしたことでも有名である。

Smap5

そしてこの「Drink! Smap!」缶もそのひとつ。
これらのデザインは美術の教科書にも載ったぐらいなのだ。

しかし、この缶のデザイン、よく見ると意外とちゃちい。
Smap!の両サイドにスカイブルーで書かれた文字、
英語かと思ったらローマ字である。

 Smap!正広中居、拓哉木村、吾郎稲垣、剛草薙、慎吾香取.
 みんな 仲良く、元気に 今日も、笑顔で がんばりましょう.
 さあ、聴こう!さあ、飲もう!Smap!


と、ローマ字で書かれている。
名前はいいとして、「Minna Nakayoku」とか、どーよ。
小学校の掲示板に貼ってあるようなチープなメッセージも、
横文字にするとカッコよく見えるから不思議だよなぁ、日本人て。

さて、問題の中身はというと、まず炭酸飲料である。
キリンビバレッジによると、こうである。

「当社が発売する炭酸飲料「Drink! Smap!」は、
 甘苦い厚みのある飲み応えと炭酸ガスのハードな刺激に、
 緑茶の風味が隠し味となった、
 一度飲むとクセになる独特な大人の味わいです。」


しかし、缶にはどのような味かはどこにも書いていない。
いったい何味なのか、外観からはまったく分からないし想像もつかない。
とりあえず原材料を見るとコーラと酷似している。
で、実際の色も透き通った茶褐色で、やはりコーラと同じ。

とゆーよりコーラだろ、コレ。 

いや、コーラより薄いとゆーか、甘いとゆーか、苦いとゆーか、
そして、どこに緑茶の風味があるというのだろうか。
あるサイトでは、こう評していた人がいた。

「歌に踊りにトレンディドラマからコメディまでこなすスマップが
 多芸に表現する社会の淵の深遠さを表象するには
 このような意味深長な味が必要なのだろうか。
 確かに「独特な大人の味わい」であるが、ちょっと独特すぎたようだ。」

なるほどうまい表現である。
が、しかし、単純にはっきり言えば「ちょっとまずいコーラ」なのだな、やはり。
ちなみに中居正広も「風邪薬のシロップみたい」と語っているらしい。
これって誉めてないよなー。

「一度飲むとクセになる独特な大人の味わい」 

…えーと、クセになった人がいたら手を挙げてー。


まめちしき

まず、SMAPの名を冠した飲料としては森永乳業から1989年に発売された『SMAP』以来13年ぶりらしい。その時のデザインはどんな感じだったのだろうか。それと今回、「自販機ジャック」と書いたが、これはもちろん造語である。そもそも、「ハイジャック」以外の「シージャック」とか「トレインジャック」とか「バスジャック」という言葉も、日本が作り出したものである。英語の「ハイジャック」を、空を意味する「ハイ」に対して「ジャック」を「乗っ取り」という意味に勘違いしてのことだろうが、ジャックにはそのような意味はない。由来も諸説あるようで定かではないが、調べてみると面白いことがわかった。日本語にも「ジャック」という言葉があるのだ。
じゃっ‐く〔ジヤク‐〕【×惹句】 「人の心をひきつける短い文句。特に広告文などで、誇張してうたい上げた文句。キャッチフレーズ。」あら、意外と自販機ジャックのジャックに合ってないか?




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ニュータイプ コカ・コーラ 4


さて、コカ・コーラが恐ろしい飲み物であるということが判明した前回。

しかし、そんなものが現在も販売されているわけがない。
コーラとはコーラ・ナッツのエキスを使ったからその名を冠しているわけだが、
現在はコーラ・ナッツ・エキスを用いずに作られるコーラがほとんど。

…って、そーだよねー。

コカ・コーラの原材料を見ても「コーラ・エキス」なんてどこにもないもんねー。
現在は、単に「カフェイン」を入れてるだけなんだね。
つまり「コーラ」の入っていないコーラ。

…いいのか?

まあ、メロンパンにもメロンは入ってないか。

コーラ特有の黒い色も、
コーラ・ナッツの成分であるコラニンの酸化物の色だったらしいが、
現在はカラメルによって着色しているだけである。

で、コカの方はどうなったかというと、当然今は入っていないし、
どうやら日本にコーラが入ってくる以前から、なくなったようである。

コカ・コーラがアメリカで発売されたのは1886年。
その頃は、コカの覚醒作用も、コーラ・ナッツのカフェイン効果も、
世間一般には「」として利用されていた。
そりゃ、目は覚めるし、頭痛は治るし、妙に元気になるわけだから
いわゆる「万能薬」として扱われていたとしても不思議ではない。
それらに「常習性」と「依存性」があると判明するまでは。

アメリカでは1700年代後半から炭酸水(ソーダ水)が普及していた。
シュワッと刺激的なソーダ水は、特に夏場の気分転換に役立ったのだろう。
当時のこうした飲み物は、薬局で売られていた。
薬局といっても現在の薬屋のようなイメージではなく、
ソーダ水もコップに入れて販売するという形で、
現在の喫茶店やファーストフード店のような性格も持っていたようだ。
今でもアメリカでドラッグ・ストアというと、コンビニみたいな店だったりするしね。

また、薬に関しても今ほど厳しい規制や統制もないから、
コカインやコーラ・ナッツなどは、ワインなどのアルコールと混ぜられ、
元気になる飲み薬」として、薬屋で結構売られたらしい。

ところが、1800年代後半から「禁酒運動」がアメリカを席巻する。
アメリカ全土に禁酒法が制定されたのは1920年だが、
メイン州で最初に禁酒法が制定されたのが1851年だったので、
意外に長い歴史がある。
当然、アルコールを使った「元気になる飲み薬」も立場が危なくなってくる。
そこで白羽の矢が立ったのが、ソーダ水だった。
こうして、コカインカフェイン炭酸水という図式ができあがる。
だから、コカ・コーラが発売される以前から、それらしい飲み物は存在したわけだ。

ROOT BEER & Dr.Pepper

代表的なのが「ROOT BEER」。
BEERといってもアルコールは入っておらず、炭酸水に砂糖と数種類の植物の根の
抽出物を加えたもので、 誕生したのは1876年。
他にも有名な「Dr. Pepper」は1885年と、コカ・コーラ発売の1年前。
作ったのは薬剤師で、Dr. Pepperは彼が若い頃に働いていた薬局のオーナーの名前。

こうした流れの中で生まれたのが「コカ・コーラ」。
だから、商品自体にオリジナリティはなかったが、
絶妙なブレンドによって、それまでのいかにも薬っぽい味ではなく、
甘くて美味しい飲み物に仕上げたことが、大ヒットにつながった。
何より素晴らしいのが「Coca-Cola」のアイデンティティーとも言える
あの美しいロゴ・デザインが、発売時にすでに完成されていたことである。

さらに親しみやすい「Coke」という名でも登録商標をとったことで、
コカ・コーラは薬からオシャレな嗜好飲料へと人々の認識が変わり、
女性の消費者も現れるようになった。
薬局で売る必然性もなくなったことで、コカ・コーラの瓶詰め販売が始まる。
これが、現在でも使用されている6オンス(190ml)瓶である。
当時すでに大量に存在していた模造品への対策として瓶のデザインを意匠登録し、
コカ・コーラを全米どこへでも流通させることを可能にした。

だが、1900年代に入ってコカインの有害性が問題とされるようになった。
すでに世界各国へ輸出もされ、確固たる地位を確立していたコカ・コーラ。
その名前の由来でもあるコカインは、コカ・コーラのアイデンティティーであったが、
時代の流れに逆らうことはできない。
そこで、脱コカイン処理したコカの葉を使うという、
なんだか本末転倒な気もする苦肉の策で乗り切ることになった。
そして現在では、コカの葉すら使っておらず、
コカ・コーラ社自身も「コカインを使ったことは一度もない」と宣伝し、
コカイン使用の歴史を公式には認めていないという経緯がある。
しかし、コカ・コーラ社が否定しても、これだけ詳細な情報が伝えられているということは、
どっかに当時の資料なり広告なりが残っていたんだろうなぁ。

さて、コカイン問題はクリアしたが、今度はカフェインが問題視された。
当時のアメリカ化学局の初代局長が「粗悪食品の撲滅のために情熱を燃やす」変人で、
しかも根拠不足な上にずさんという、まるでどっかの国の社会保険庁のような人物で、
バカ売れしていたコカ・コーラも標的とされた。
政府との裁判沙汰にまで発展した結果、
カフェインの量を半分に減らすことで和解した。

こうして、コカインも使わず、カフェインも減らされた、
現在のコカ・コーラの姿になったのである。
Coca Cola Classic

Coca-Cola classic
CARBONATED WATER 355ml
HIGH FRUCTOSE、CORN SYRUP、CARAMEL COLOR、
PHOSPHORIC ACID、NATURAL FLAVORS、CAFFEINE
THE COCA-COLA COMPANY (2007)
アメリカで発売されているクラシックデザイン缶で、輸入品のようだ。
日本のレギュラー缶より塗膜が薄いのか、アルミの光沢が強く、
赤色がワインレッドのようだ。縦縞模様に見えるのは写り込み。
上部も階段状にすぼむ形状ではなく、内容量も5ml多い。


ちなみに、コカ・コーラが日本に上陸したのは1957年。
コカ・コーラの缶が日本で登場したのは1965年でした。

さすがに生まれてねー。



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